第一七篇 虫捕り

虫捕り夏になると、虫捕りに夢中になった子供の頃を思い出す。6月のはじめには、たくさんの蛍が飛び交っていたので素手で捕獲できた。蚊帳の中に放して電気を消すと、とても幻想的であったのをおぼえている。キリギリスやバッタ、とんぼ、蝉など何にでも興味がわいて捕獲を試みた。俊敏な生き物をどんな手段で生け捕るか、その瞬間その刹那を楽しんだように思う。古い蚊帳で網を作り、捕った獲物は空き箱を細工したものに入れた。きゅうりやなす、西瓜の皮などを餌に入れたがあまり食べなかった。虫のなかでも、カブト虫とクワガタは別格であった。朝早く出かけて、くぬぎの樹液に群がるカブト虫を発見したときは、天にも昇る気持ちであった。熊蜂などが一緒にいることが多く細心の注意が要った。カブト虫の角に糸を結び引っ張り合いをさせるのはいいが、残酷なのは、くも合戦であった。背中に3本の黄帯の入った兵隊ぐもを、1本の棒の上で戦わせ、相手が逃げるか、糸を巻きつけ動けなくすると勝ち。勝ったくもを持ったものは次の挑戦を待つ。小魚や小鳥も捕獲の対象であった。捕るための道具作りや使い方は、上級生と行動を共にするのですぐに覚えられた。何を捕るかは興味の赴くままであったが、戦時中、学校の指示でイナゴを捕ったことがある。登校時持参したイナゴは、粉末にしてみそ汁に入れ支給された。カルシュウム不足を補うためであったらしい。mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm名塩探史会mmmmmmm