とんど八幡神社の宮守は、還暦を過ぎた長男夫婦3組または5組で構成し、神社の維持管理にあたってきた。そして1年の締めくくりの行事として、とんど(左義長)を焚いて次の宮守に引き継がれた。往古から伝承してきたもので起源はわからない。昭和59年からは、老人会が各町持ち回りで担当することになり現在に至っている。とんど建ては4,5日前からはじめられる。中央に芯竹を立て夏から用意してきた柴を積み上げる。孟宗竹、真竹を貼り付け、最後に篠目竹で化粧して仕上げる。形状は昔のまま引き継がれていて、その規模と優美さは他に類を見ないといわれる。当日、時間前になると、とんどを知らせる合図を御坊の太鼓楼から鳴らされる。拍子木で樫板を叩くのだが、これをコンコトと呼んでいる。昔は大太鼓を打って切り上げた。午前4時、神事を終えた宮守の男たちは、松明にご神火を頂き息子や若衆に先導されてきざはしを降りる。周囲を左回りで1周したあと各焚き口から火が放たれる。もっとも風が穏やかな時間帯を選んだ、先人の知恵に敬服する。火はまたたく間に燃え上がり、半時間もするとその形をとどめない。従前は松の内が明ける小正月に焚かれていたが、現在は成人の日に行われるようになった。さきにとんどの造形美について触れたが、まだご覧になったことのない方は「百聞は一見に如かず」是非観賞して頂きたい。成人の日の前日、午後にはほぼ完成しているはずである。
名塩探史会