生活様式の変遷(燃料)日本人の生活様式は、昭和の時代に至っても、江戸時代のそれと大まかなところで大差なかったように思う。利便性を追及する現代生活に転換し始めたのは、少なくとも昭和20年以降ではなかろうか。人類の歴史は火を焚く事から始まったといわれる。今回は暮らしに欠かせない火(燃料)について考察して見ることにしょう。かまどで柴(薪)を燃やして飯や汁を炊き、風呂を沸かす行為は、いにしえから不変であった。冬が到来すると、主に主婦たちが野山といわれる村有林へ出かけて柴作りに精を出した。この時期に採取するのは、木が締まっていて虫が付き難いからである。鋸やナタで60糎くらいに切った雑木を縄で束ねた。それを負い縄で背負って持ち帰り軒下に積み上げた。乾燥した柴から使用するので、持ち帰った薪は翌年回しとなる。風呂用には、焚き口が大きいので太くて長尺物が焚かれた。冬、居間に囲炉裏のある家では、暖房を兼ねて火を焚いていた。火を始末する時は、火消し壷に収納し、後日カラ消しとして使用した。また、七輪や炬燵には、豆炭や堅炭を使用した。まったく新しい熱源として登場したのが電熱器で、湯沸しなどに重宝した。その後、灯油コンロ、昭和30年頃には電気炊飯器や、プロパンガスなどが出回るようになった。いまでは、オール電化の I H を採り入れている家も多い。著しい燃料革命のため、どこの家にも備わっていた、かまどや煙突がまったく見られなくなった。名塩探史会