第四四篇 臼摺り

臼摺り

脱穀した籾には、実の入っていない空籾が混じっており、これを唐箕にかけて選別する作業を唐箕くりと言う。風力を利用して品質の良い籾は手前の一番口から、未熟な籾(みよさ)は二番口から、空籾や藁くずは大口からと、分別して出てくる仕組みで、夜なべ仕事になることが多かった。唐箕くりで選別された籾は、実干しといって筵に薄く広げて天日に干した。籾殻を剥ぎ玄米にする作業を臼摺りという。胴臼に籾を入れごろごろ回すと、上臼と下臼との摩擦で籾殻が半分ぐらい剥がれる。それを万石という道具で玄米と籾を選別して、残った籾を再度胴臼にかける。こうした作業を何度か繰り返して玄米にした。昭和10年代になると、発動機を動力とする臼摺り機が全国的に普及した。回転数の違うゴムロールの摩擦によって籾殻を除去するもので、従来の作業とは比較にならない画期的なものであった。農家は軒並み臼摺り機の巡回を希望したので、機械の保有者は、道具の運搬や各家の収穫量を勘案して順番を決めて臼摺りをこなした。収穫した米は、供出米や年貢米は米俵(60㌔)に詰め、自家飯米は米蔵に保管していたが、鼠害,虫害を防ぐのに苦労した。昭和になって1石、2石、3石入りの丸型ブリキ缶が出回ってきて保管が楽になった。戦後、俵詰めから麻袋になり、更に現在の紙袋(30㌔)が使用されるようになった。名塩探史会