水遊び
夏休みの子供たちは、学校にプールがなかったので名塩川のいたる所を、水遊びの場にした。その頃はまだ水がきれいだった。「じゃこの川」や「ぼんさん淵」、「下滝」など。なかでも「とらま淵」が人気であった。小さい子供は上の浅瀬で、高学年の子は「一の岩」から淵へ飛びこんで遊んだたまには、遠征気分で大川(武庫川)の「出合」まで出かけた。名塩川が武庫川に合流するあたりである。ここにも「一の岩」があり、勇気のある子供はそこから飛び込んだ。「はかり岩」「せんこう岩」周りでは、往復したり周遊をして遠泳の練習をした。「つかり岩」は水中の岩なので注意が必要であった。煎りそら豆の袋を腰に付けて泳ぎ、水を含んで軟らかくなると少しずつおやつに食べたものである。「出合」の下流になる「うるしが淵」は、大人の遊泳場所であった。青葉台側の崖に、うるしの木が多く茂っていたことからこの名が付いたという。泡立った水面はゆったりと渦を巻き、神秘性をのぞかせていた。この渦に巻き込まれると、岩のくぼみに閉じ込められて浮上できなくなるという。河童の棲みかで、淵を汚すものを水底に引きずりこむのだといわれた。事実、毎年のように水難者が出たので水泳禁止になっていた。現在は、川の様相が変わってしまって往時の面影はない。
名塩探史会。