第五一篇 婚姻(中)

婚姻 (中)婚礼の前日、嫁方では親類や近所の女衆を招いて襟祝いの膳を囲む。このとき、嫁入りの荷を上の間から下の間にかけて飾り付ける。蒲団は長持ちの蓋の上に、箪笥の引出しは、中身が一目で見えるように反物をずらして並べた。襟祝いの人は、これを観賞するのが慣わしでまた礼儀でもあった。結納は、仲人(男)が羽織袴、山高帽の衣装で、提灯持ちを従えて嫁方へ出向いて納めた。提灯持ちは10才位の男の子が適役で、やはり紋付の羽織と袴姿であった。提灯はひろげずに畳んだまま肩にかついだ。荷出しは、仲人(男)の先導で箪笥、長持、小道具(下駄箱、針刺し,鏡台など)の順に行列が組まれた。これを二荷の荷といい一般的であった。これに小袖箪笥を一竿加えると三荷になり、良家ではさらに屏風や衣桁なども荷に加えた。荷持ち人夫は嫁方で仕立てる。荷持ち人夫の出で立ちは、縞の着物に鉄色の角帯を締め、尻からげに鉢巻、わらじ掛けであった。行列は婚家まで何度も一服を重ねながら進む。一服ごとにその場に合った荷持ち唄を端棒の人が唄い、他の荷持ち衆が「はーやれやれー」と囃子を入れて次に進んだ。荷が到着すると、花婿は羽織袴で縁側に出迎え箪笥の棒のハナ(端)に手を添える。荷を運び終わると、使用済みとなった青竹の杖を叩き割る。二度と使うことのないようにというわけである。名塩探史会

下記の荷持ち唄は、カットの中に、手書きで吹き出し風に入れてください

箪笥ナアー 長持  かんたんまくら納めナアー おきます ハー このうちにヨオー